「 捏造『カルドセプト3』シナリオ 」

    「シナリオ重視!」とのふれ込みでした『カルド』の新作「サーガ」、でもフタを開けて
   みたればその内容は「薄くてバカ長くてトホホ」だったらしい……。
    ――ということから、「もうちょっとは面白そうな『カルド』シナリオを考えてみよう!」
   と、ブログにてけっこう前に宣言してしまいました『カルド3(捏造)』のシナリオ。
   ようやく形にできましたので、ここに発表いたします。

    ・ゲームの舞台となる「世界」の前提条件

    1)現在、舞台である「世界」ではカードの「覇者」を目指す戦いは行われていない。
     セプターらは厳しい戦いを繰り返して自分を高めることを忘れ、カードの力を安易に
     使って自他の卑近な欲望を満たすだけの、自堕落な存在となって久しい。

      この世界のセプターには「公認」と「非公認」の二つの勢力がある。
     「公認」セプターは各国のセプター統括機関に所属し、与えられる「任務」の遂行と
     引き換えにカードの使用権とカードを所持しての通行の自由とを保障されている。
      ただし、「公認」セプターがカードを使用して良いのは所属機関からの「依頼」および
     「命令」による任務遂行のために限られる。

    2)「公認」セプターは、上記機関より「人頭杖型アーティファクト」を支給されている。
     これはゴリガンのような人の頭の付いた"しゃべる杖"であり、杖を持つ者の身分の照会
     ができる(ただしゴリガンのように"自らしゃべる"のとは違い、あらかじめインプット
     された情報を音声を使って"流す"だけ)。
      その他にもカードの使用方法や判別、セプター能力保持者の判別および能力測定など、
     「身分証」と「各種ヘルプ」、「スカウター」を兼ねた便利アイテムであり、「公認」セプター
     の象徴となっている。

    3)大国のセプター統括機関は、セプター能力を持つ少年少女を身分を問わず一人前の
     セプターとして教育する「養成機関」を設けている。
      この「養成機関」を卒業したセプターは全てが「公認」セプターとして登録され、
     能力に応じて一定期間、国や組織のために働くことを要請される。

    4)「非公認」セプターは上記機関に所属しないセプターである。
      彼等はどこでも自由にカードを使用しているが、己れの力を頼む粗暴な振る舞いに
     及ぶ者が多く、各国政府や庶民からは無法者扱いされて取締りの対象となっている。
     (この「非公認」セプターを取り締まることが、「公認」セプターの主な仕事)
      よって、「非公認」セプターは各国機関の監視の目が届かない周縁地域や未開の地など
     を根城として活動している。

    5)もちろん、「公認」セプターと「非公認」セプターとはお互いに反目しあっている。


    【プロローグ】

    主人公キャラは、ある国のセプター養成機関に入りたての人物(少年or少女)。彼(彼女)
   が初めて人頭杖を支給されるシーンから、物語は始まる。
    カードを一組(50枚・いわゆる初期ブック)渡され、セプターとしての修行開始。なお、
   主人公のセリフは一切ナシ。支給された人頭杖はゴリガンに"クリソツ"だが、これの名前
   については、支給時に担当者に指示されてプレイヤーがつけることになる。

    なお、主人公には"セプター事情にうとい"という特徴がある(重要)。

    【第一章】

    養成機関内で、ひたすら修行の日々。教官(4〜5名)や他の練習生(養成機関で修行中の
   セプターの呼称)と対戦しながら腕を磨く。
    教官はむろんのこと強く、練習生は能力や年数に応じて強さの度合いはさまざま。機関の
   建物である「校舎」の中を歩き回り、話しかけることで「情報」か「対戦」かを選択する。

    「情報」は世界やセプター事情に関する話を聞かせてもらえる。「対戦」は字の如し。
   練習生の中には、主人公にライバル意識を持つ者や友人関係を望む者などがおり(ここいらは
   お約束の展開)、彼らと対戦を重ねると"ライバル度"や"友人度"といった隠しパラメータ
   がアップする。
    なお、「図書館」に行くと過去の『カルド』シリーズに関する情報を得ることができる。

    一定回数教官に勝利すると、「試験」に突入。教官より強い「試験官」と対戦、勝利すると
   練習生としてのステータスが上昇する。
    さらに、あらかじめ決められたステータスに達することで「卒業試験」に臨むことができる。
   これに勝利することで【第一章】は終了。

    ※ストーリーモードをさっさと終わらせたい人は、ガンガン対戦して「試験」を突破すれば
   OK。ただ、校舎内での"人脈"を培っておくと、後の展開が微妙に変わる。

    【第二章】

    晴れて養成機関を卒業した主人公、さっそく統括機関から最初の「任務」が与えられる。
   それは、同時期に練習生となったセプター(校舎内で主人公をライバル視していた人物の
   中で、最もライバル度数の高かった者)の「逮捕」であった。
    というのも、"彼"が養成機関のカードを盗んで脱走したからである。

    ライバル君(仮称)の逃走ルートはどの国の支配も及ばない地域、「非公認」セプターの
   天下であった。主人公は否応なくカードの闘争に巻き込まれてゆく……。

    主人公はいよいよ、この世界をウロつき始める。場所が「非公認」セプターの縄張り内で
   あるため、人頭杖を持つ主人公はあちこちで彼らから因縁をつけられ、戦闘をするハメとなる。

    これらの戦闘に勝利すると、相手セプターについて「逮捕する」「見逃す」のコマンドが
   出る。「逮捕」を選ぶと先に進むだけで、そのマップに戻って再戦することはできない。
    しかし「見逃す」を選択した後、もう一度同じマップで再戦して勝利すると、相手セプター
   が「信服」し、「お前が気に入った、たまには俺のトコに遊びに来てくれ」と言われて世界地図
   上に「隠しマップ」が出現する(笑)。もちろん、このマップでは同じ相手が"違うブック"で
   タイマン戦を戦ってくれる。

    情報を拾いつつライバル君を追ってゆくと、敵セプター複数名から対戦を挑まれるように
   なる。不利な状況だが、ここで先に「友人度数」を上げておいた元練習生セプターが颯爽と
   登場、同盟戦となる。以後は彼(あるいは彼女)が同行してくれる。

    (ちなみに、ライバルキャラと友人キャラは"誰がなるか"で各々セリフが異なる仕様。
   さらに、友人度数によってもセリフ内容の"親密さ"が変化する。"なんちゃってマルチ"な
   感覚で楽しめるように)

    この章の最終戦は、むろんライバル君。かなり強いセプターを伴っているが、同盟ではなく
   「セプターらしく3人対戦で決着をつけよう」と言われる。
    戦闘し勝利すると、ライバルはこの度の自分の行動の意味を教えてくれる。

    「俺の親父は、"カードの力は、セプターが己れを磨くためにある"と考えていた。そして
    公認・非公認どちらの勢力にも属さずにいたが、ある時未開の奥地で不思議なカードを
    見つけた。
     それは『エインシャント・カード』と呼ばれる、強いエネルギーを秘めるが誰にも使う
    ことのできないカードだ。親父はナゾを解き明かそうと大切に持っていたが、嗅ぎ付けた
    公認セプターに倒され、カードは奴らに奪われてしまった……。
     俺は親父の敵を取ることを誓い、調べまわったあげく例のカードがあの養成機関に保管
    されていることを探り出した、だからこそ奪い返したのだ。

     お前も結局は他の奴らと同じなのか……?上の者に言われてエインシャント・カードを
    俺から取り上げ、持ち帰るつもりか?セプターとしてカードのナゾを解き明かしたいとは
    思わないのか?どうなんだ!」

     そう語りつつ、ライバル君は「エインシャント・カード」を取り出し、掲げた。――と、
    いきなり「反応」が起こり、カードが輝きだす。
     なんと、カードは主人公が持つ人頭杖に呼応している!そして……

     「ここは……何処なのですかな?わたしは……わたしの名は"ゴリガン"……ああ……
     でもわからない、他のことが何も思い出せませぬ……」

     「ゴリガン」復活、「エインシャント・カード」とはゴリガンの記憶を封じたカードだった。
    一同、驚愕。

    ライバル君の話では、他にも数枚の「エインシャント・カード」が存在し、それらは機関が
   持っているらしい。とにかく「ゴリガン」の記憶の全てを取り戻すため、主人公は機関に戻り、
   当局に説明を求めることにする。

    ――だが、当局の返答は「その人頭杖をこちらに渡し、お前はこの度のことを全て忘れろ」
   というものだった。「拒否」「服従」のコマンドが出るが、「服従」はゲームセット、当然
   「拒否」して上級セプター2名vs主人公・ライバル君の同盟戦に突入する。

    戦闘に勝利すると、当局担当者はしかし、持てる「エインシャント・カード」(4〜5枚)の
   引渡しを拒否、「D・ドア」の呪文効果で何処かへ"飛ばして"しまった。これらカードの行方を
   追って、物語は次の章へと移る。

    【第三章】

    今や主人公は「公認」「非公認」どちらからも敵視される立場である。だが「仲間」はいる、
   ライバル君と同行者(ただし、第一章にて"友人度"数値を一定以上にしておかないと、ついて
   きてくれない)である。

    探索目標である「エインシャント・カード」の行方は、おおよその方角は「ゴリガン」が
   感じ取ってくれるのでそちらに向けて世界地図上を進む。
    今度は、「非公認」セプターに戦いを挑まれるのみならず、「公認」セプターも追っ手として
   たびたび登場する。
    数々の戦闘に勝利し、「エインシャント・カード」を手に入れる都度明らかになる「ゴリガン」
   の秘密。なぜ彼がこの世界に居るのか?そしてセプターの負うべき宿命とは?――物語の
   フィナーレに向けて、ひた走れ!

    ※ちなみに、誰とも友人度を高めておかない場合、この章にて「最難関ルート」が出現する。
     一対二、一対三の戦闘をいくつも乗り越え、その果てに「○ネス」登場。


    ――とまあ、以上です。
    私の考えでは、『カルド』ストーリーモードに登場する敵役CPUとは「特定のブックとプレイ
   スタイルの具現化」であり、ブック内容とプレイスタイルを決定してからキャラの肉付けに
   取り掛かった方が、ゲーム内容にふさわしい(対戦して面白い)キャラクターとして仕上がる
   ように思われます。

    そして主人公キャラとは、「どのようなブック、プレイスタイルをも採用し得る」セプターです。
   ですから、主人公キャラにはあらかじめ「色」を付けておく必要は「無い」と考えます。
    家族、経歴、思想信条などは設定上に無くとも、自分のことは「ブックとプレイスタイルに
   よって表現する」のが、"真にセプターたる存在"でありましょう。



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