「ジャンルについて考えた」 (2月14日)

  今回は、堅い話です。堅い話苦手なお方は、どうぞお戻りくださいませ。

  最近、小説の検索サイトにボチボチと登録などしておるのですが、登録する際の
 よくある記入事項の一つに「ジャンル」があります。で、私は「ファンタジー」の欄に
 チェック入れたりするわけなのですが…なあんか、釈然としない。
  というのも、自分としてはあまりジャンルを意識して書いてはいないからです。
  『カルドセプト』からインスピレーションを得て浮かぶ世界を、私は文章という形で
 切り取る事しかできないので書いている。まあ、それだけです。だから、正直言って
 「ファンタジー」を書こうとしているわけじゃあない。他人様から見れば「ファンタジー
 だよ、それは」と言われるのかもしれないけれども、自分自身にはそういう意識は
 無いのですよ、あんまり。
  釈然としない感覚も、そんな事から来ているのでしょう。

  で、ここで疑問が。私自身は「このジャンルを書きたい!」という熱烈な意識は
 無いのですが、他の方はどうなのでしょうか?
  「学園もの書きたい」とか「推理もの書きたい」とか…。
  う〜ん、そうじゃあないでしょう、やっぱり。ジャンルが先にあるわけじゃない、
 「今はこれしか書けない」から書いてるはずだと思うのですが…。
  それに、もし「ジャンル」が先にあるのだとしたら、選択した「ジャンル」に
 相応(ふさわ)しい内容を書こうという意識が働いているはず。でもそんな意識は
 「書く」行為にとって、マイナスにしかならないとも思うのです。
  だって、「ジャンル」に相応しい内容などを読んだところで、得られるものは
 「安心」しかないではありませんか。
  そんな「安心」など、「書く」こと「読む」ことの敵ではありませんか。

  とはいうものの、検索するためにはジャンル分けがないと困る(探せない)という
 サイトの要請は理解できますので、釈然としないながらもジャンル「ファンタジー」
 にチェックを入れ、でも胸の内では、
  「好きに書けばいいんだよ、ジャンルも形式も蹴飛ばして、好きに書いてしまえば
 いいんだよ」
  などと不穏につぶやく者であります。


戻る