「スリングの"実力"」 (2月24日)

  先日、用があって「スリング」を調べてみました。
  「スリング」、投石器です。『カルドセプト』のアイテムカードにもありましたね。
  まずGoogleの小窓に「スリング」と打って検索。―そうしたらば、赤ちゃんの抱っこひも
 についての説明しか出てこない。ありゃりゃ?
  仕方ないので、次に「投石器」で検索。これで出ました。
  以下、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の記述より抜粋。

  【構造】
  投石器は、片手で握れる程度の石を遠くへ投げるための道具。基本的に、中央の石を包む
 ための幅広い部分と、両端の振り回して遠心力を得るための細長いひも状の部分からなる。
  ひも状の部分の一方の端は投げる時に手から離れないようループ状になっているか、手に
 巻きつけられるようにやや長くなっている。材料は皮革や布、羊毛や麻の繊維や腱(けん、
 動物の足のスジ:カッコ内は全て管理人注釈)を編んだものなどがある。
  長さは二つ折りの状態で0.5mから1m程度。

  【用法】
  全体を二つ折りにして、一端のループを手首に通すか巻きつけるなどして利き手に固定。
 他端(もう一方の端)と共に握り、広い部分に石をくるんで激しく振り回す。
  勢いがついたところで適当な位置で手を開くと、紐の片方が外れて石が飛ぶ。ひもの張力
 があるため、素手で投げるよりもはるかに長い飛距離と威力を生み出す事ができる。
  ひもの一端を放すタイミングが射程に大きく影響するので、飛び道具の中で最も習得が
 困難だったといわれる。

  弾としては川原などで選んだ玉石のほか、軍用には鉄や鉛製の弾も使われた。

  【歴史】
  古代のシュメール人やアッシリア人が投石器を使っていたことは当時の浮き彫りなどにより
 知られている。
  アッシリアの浮き彫りに見られる戦闘描写では、投石兵は弓兵の後方に並んでおり、投石器
 による石弾の射程は弓による矢の射程より長かったと推測されている。

  5世紀のローマのヴェジティウスの著述によると、当時の弓の射程は180m程度だったとされ
 ているのに対し、アナバシス(ギリシャ人傭兵部隊の退却道中物語:クセノポン著)の記録から
 考えて、投石器の射程は400mを超えたと考えられる。
  また、投石器から弾丸が飛び出すときの初速は100Km/hを越すと考えられており、ヴェジ
 ティウスによると、前後を円錐形に加工した弾丸は皮革製の鎧をつけた兵士に対して弓矢より
 も致命的で内蔵を損傷する傷を負わせ、鎧をつけていなければ人体を貫通したという。

  鎧の防御力や騎兵の運用の向上によって4世紀頃に投石兵の地位は衰退し始め、中世に弩弓
 が普及すると投石器は次第に使われなくなった。

  (なお、クセノポンは古代ギリシャの軍人にしてソクラテスの弟子の一人)

    うひょー!「射程400m」だって!「初速は100Km/hを越す」だって!「人体を貫通」だって!
 ホントにそんなにスゴい飛び道具だったのか?
  とさらなる疑問が湧き起こり、検索結果をずっと当たってゆくと、未開人の戦闘に関する研究資料
 (らしきもの。なにせPDFファイルだし)が出てきました。
  そこには、「現代の実験によれば、投石器に人体を貫通するほどの威力があったかは疑問」との
 記述がある。でも、その実験がどのような条件下でなされたかという点については何も書いてない。
  う〜ん、古代の投石兵と現代人とでは、筋力や本気度にかなりの差があるはずでは?実験する
 ならやはり、オリンピッククラスのハンマー投げ選手とか(でいいのかな?回して投げるし)に
 お願いしたいところですな。

  ということで、かなり驚きの検索結果が出たものの、ことの真実はいまいち分からず終い。でも、
 「スリング」がかなり使える武器だった事は間違いない点はよく分かりました。
  ―で、どうして「スリング」を調べたかですって?
  それは次の第4話をお楽しみに(と、ベタな締め)。

   参考資料:『ウィキペディア(Wikipedia)』 投石器


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