さて、この「黒猫館」にはテキスト書きに励まれる方々もご来館されていらっしゃる様子
である。書きあげたテキストをネット上にて公開されている方、また公開したいと考えて
いらっしゃる方も中にはおられることだろう。
そこで今回は、ブラウザ上でのテキスト表示にあたって管理人が(少しばかり)勉強した
「見やすいテキストサイトのデザイン」について、メモ書き程度ながら綴ってみようと思う。
当サイト「黒猫館」を立ち上げる前に、管理人はまず「ウェブのユーザビリティ」に関する
情報を集めた。
実は管理人、以前の務めは雑誌の編集記者であった。だけにこのビジュアル時代、イメージ
(写真、イラスト)に頼らずテキストのみで人の関心を引っ張る大変さは身に染みている。
なにしろ、字ばかりで埋まる画面はどうにもとっつき難い。巷の新聞・雑誌だって、活字
のデザインや大きさ・色を変え段組を工夫し、イメージを効果的に取り入れては紙面をより
わかりやすく、美しく演出することに余念がない。
ただ、多少ともなじみのある紙媒体とは違って、自分がこれから挑戦するのはパソコンの
ブラウザにて表示される画面である。そこには、独自の「見やすい(読みやすい)」デザイン
があるに違いない。
―そう考えて、いろいろと関連サイトさんをめぐって勉強してみた。結果、文字組みに
ついては、
1.一行の文字数は40字前後が適当。
2.一段落はせいぜい三〜四行。
3.文字は大きめに。
4.できるだけスタイルシートを使用すること。
5.目に優しい背景色と文字色の組み合わせを選ぶ。
以上5点を最低限考慮すべきという結論を得た。
○文字数及び行数について
最初の二点、文字数と一段落の行数は「読みやすさ」のために大変重要である。
テキストを書き慣れ、読み慣れしている方は、文字で埋まる画面構成にもさして抵抗を
感じないだろう。しかしその感覚のままにサイトのデザインをしてしまうと、文字を追う
ことに慣れない方々には確実に「引かれる」、読み難い画面ができあがってしまう。
実際のウェブ上でも、各種研究分野の成果を披露するサイトでしばしば「びっしりと文字
ばっかりが並ぶ」画面にお目にかかる。そうしたサイトの閲覧者の多くは同じ分野の研究者
だろうから「苦情」も出ないのだろうけれど…お世辞にも「見やすい」とは言えないのが実際だ。
○文字の大きさについて
また「文字サイズが小さい」画面は、主に女性や若い書き手さんのサイトでぶつかる。
文字を大きめに設定すると画面全体の印象が「やぼったい」感じになりがちのため、ある
種の方々には耐え難いという理由はわかるのだが…はっきり言ってこれも読み難い(いや、
当方が歳だとかそういうことでなく…苦笑)。
何より、サイトの管理者が「閲覧者への読みやすさよりも自分のスタイルを優先している」
姿勢が見え見えな点が最大の問題。私などは、「掲載されてるテキストの方も独り善がりの
内容なんじゃあ…」と警戒心が刺激されるされる。
それでも自分スタイルに命を賭けたい方は、ぜひともその旨をトップページにでも明記して、
閲覧者に不便を強いることの「お詫び」も合わせて述べるべきではないかとさえ思う次第。
○スタイルシート
そして「スタイルシート」については、(テキストサイトの構築に興味のある方には言わず
もがなではあるが)ブラウザ上で文字の大きさ・間隔、行間の間隔などを指定できる便利
この上ないHTML言語である。
スタイルシートを使う使わないでは、サイトのデザインに大きな違いが出る。特に文字
の多い画面でその差は歴然、当館でもテキスト部分は全てスタイルシートを使用している。
(ちなみに、使わないと→こんな感じに:別窓:済みませんがブラウザを閉じてください)
ただし、パソコンが古かったり使用ブラウザのバージョンによっては対象外であることも、
使う側は心得ておかねばならない。
ウェブの表示は閲覧者の環境で大きく左右される。サイト構築者としては大多数の便宜
の方を取らざるを得ない場合が多く、頭を悩ませる問題である。
○表示色について
最後の「背景色と文字色の兼ね合い」も、長い文章を読んでいただく側としては配慮を
心掛けたい点だ。
背景は明るくやわらかい色、そして文字は背景とのコントラストの大きな暗い色(それも
微妙に濁りの入った色)が、一般的には「目にやさしく、見やすい」とされている。
当館の配色はいろいろと試したあげくの措置なのだけれど……もしも「見難い」という
方がおられましたらば、ぜひぜひ掲示板なりメールなりでお知らせくださいませ(切に)。
以上、なかなか偉そうに書き連ねてはいるが、当館管理人もまだまだいろいろと模索中の
身の上である。「ユーザビリティ」はサイト管理者の永遠の課題、勉強は続けてゆかねば
―と、ネットをめぐりつつ日々思うものである。